豊橋百儂人

日本有数の大農業王国、東三河地域。
この地で、先代から受け継いだ食農文化を後世に受け渡そうと、良き伝統を守りつつも革新的努力をし続ける団体がいます。

彼らは、「真」の農業経営者となるべく切磋琢磨する生産者を「豊橋百儂人(とよはしひゃくのうじん)」と認定し、活動の主旨に賛同してくださる応援者(サポーター)の皆様と共に、生産者、消費者が一体となった活動を目指しています。

豊橋百儂人の始まり

そんな、豊橋百儂人の生産者一人ひとりの農園にお邪魔して、努力と技術で作った生産物を調査し、豊橋百儂人とは何か?農業とは何か?

その答えを探してきました。

豊橋百儂人公式サイトはコチラ▼
https://agri.aichi.jp/

葱儂人/児玉賢一(彩園こだま)

豊橋百儂人は、「豊橋」と付くものの田原や豊川など近隣地域で日々農業に勤しむ儂人もメンバーにいます。
その中でも最遠方となる豊田市にてネギをはじめ、時期に応じて様々な野菜を生産する彩園こだまの児玉さん。
そんな葱儂人の児玉賢一さんの圃場を訪問してきました。

 葱儂人_児玉賢一
彩園こだま
豊橋百儂人 葱儂人
児玉 賢一

【ネギの時期】
通年

豊田市から豊橋百儂人に参入した児玉さん。
豊橋から見る農業と地域の外から見える東三河の農業の差などを色々と教えてくださり、間違いなく百儂人にとって新しい風を吹かせてくれている。

旬カレンダー

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
九条葱
九条葉葱
青葱
白葱

農家という生き方で得られるもの

葱(ネギ)儂人_生産

—さっそくですが、児玉さんはなぜネギを生産し始めたのですか?

それが、元々は農家でもなかったんですよ。
もともと一般企業に勤めていましたが、ひょんなことから兼業農家としてお米を作っていた祖父の影響を受けて、農業に興味を持ち始め、東京農業大学に28歳で再び入学して学び直し、農家としての道を進み始めました。
祖父からちょうどその頃に事業を引き継ぐ事となり、農業をやるのであれば専業でやりたいと思い、お米ではなく時期に合わせて野菜を出荷できるようにと、様々な品種を作るようになっていきました。

葱(ネギ)儂人_ハウス

その一つが通年で、美味しく生産できるネギでした。
ネギの中でも、九条ネギと青ネギ、白ネギを生産していて、特に九条ネギは生産方法だけでなく、種の品質などにもこだわって育てています。

—児玉さんの作るネギの特徴は?

品種によって少し違います。
まず、九条ネギは、そもそも種が通常のものと違い、京都から九条ネギの原種に近い品種を取り入れて生産しています。
栽培優先の品種改良などがされていない種になるので、その他のものと比べてネギからさが少なく、独特の甘い香りが特徴です。食感としてはスジっぽくなく柔らかみがあると評価いただいています。

また、育て方にも気を遣っており、九条ネギは柔らかく倒れやすいので、過保護かと言われるほどです。
余計な農薬などの使用はやめ、安心して食べてもらえるような生産に努めていいます。

青ネギと白ネギはシャキッとした食感が特徴で、油などでの炒め物との相性がバツグンです!
青ネギは学校給食などでも使用されるため、子どもが食べることを意識して丁寧に育てています。

葱(ネギ)儂人_九条ネギ

—仕事をしていての楽しみなどはどこにありますか?

う〜ん。
何よりも自分で考えて色々と挑戦できるところかな。

同じ生産物でも毎年やり方を少しづつ変えながら試行錯誤しながら育ててます。
うまくいく時もあれば、反省する時もありますが、それを自分なりに考えて試せるのがとても楽しいです。

最近では、徐々に畑の面積が広くなっていっていますが、実は38筆に分かれていて、面積の割に大規模な育て方ができないのが少し大変に感じています。
何よりも、それぞれの場所によって、微妙に水捌けや風、日当たりなどが異なるので、各畑の特徴に応じた育て方が求められます。

葱(ネギ)儂人_児玉さん

これらは弱点でもあるのですが、そんな弱点も「自分で考えて挑戦していける課題」だとすると、
ゆくゆくは、それぞれの土地の性質に合わせて、育て方や育てる作物も変えていけるような工夫をしっかりとさせていきたいとポジティブに捉えています。

—児玉さんの野菜はどこで買えるのですか?

すぐそばのスーパーとかでも買えますよ!
地域密着でやっているので、例えば豊田市エリアだと、地元のフィールやメグリアなどのスーパーにて常設で「彩園こだま」のコーナーを設けてもらっています。

ウチの畑で取れたその時の旬な野菜をすぐに店頭に並べているので、採れたてを提供することができています。

店頭に顔写真入りのコーナーがあるためか、最近では愛犬の散歩をしていると、道ですれ違った初見の人にも、声をかけられるようになってきました。
少し恥ずかしい気持ちもありますが、そんなコミュニケーションもとてもやりがいに感じています。

葱(ネギ)儂人_彩園こだま

—東三河の農業はどうですか?

正直、最初は異様な光景だと感じました。
それは、いつ圃場に行っても誰かしらがいて、それぞれが作業をしているからです。
どうしても兼業の農家さんが多い場所だと、ずっと圃場にいれるわけでは無いので、ウチの近隣の光景と比べて東三河の農業の強さを感じています。
その中でも、豊橋百儂人のメンバーは一つの生産物に本気で向き合っており、その意識や知識など別の生産物ではありますが、たくさん勉強させてもらっています。

葱(ネギ)儂人_想い

児玉さんのネギの美味しさの秘訣

児玉さんのお話や圃場を見せてもらうと、児玉さんの作る生産物の美味しさの秘訣がなんとなくわかる気がした。
それは、児玉さんの考え方が、トコトン前向きで、例え悪い状況に対してもどうしたら良いパフォーマンスを出せるか、常に考えて行動しているからだと感じた。
これからも、キウイなど新しい生産物に挑戦したり、販売場所を広げたりなど、たくさんの挑戦を楽しそうに教えてくれた児玉さんから目が離せない!!

【会社概要】
彩園こだま
代表:児玉賢一
愛知県豊田市河合町6-21-1

これまでの百儂人

百儂人ロゴ