表面処理加工により新たな価値を生み出し社会に貢献する
交通量の多い１号線から少しそれたのどかな場所に、白い看板に青い文字で有限会社吉荒化工と書かれた建物が見えてくる。
容赦の無い暑さの中、私が着くとすぐに優しそうな男性が迎えてくれた。
この方が、今回お話を聞く、吉荒化工の吉荒社長だ。
有限会社吉荒化工
代表取締役
趣味：輪行（リンコウ）、ゴルフ
創業３６年となる吉荒化工。
創業以来、表面処理加工の技術でものに新たな価値を生み出している会社だ。特に、焼付塗装の技術は長年、多方面からの依頼をこなし、その分野のエキスパートとしての技術を確立している。
焼付塗装とは、100〜200℃の温度で加熱し塗料を硬化させる塗装をいい、吉荒化工では、主に粉体焼付塗装と溶剤焼付塗装を行う。
その技術の名前こそ聞いたことないかもしれないが、自動車やバイクなど身近なものには多く利用されている技術だ。
吉荒化工は、焼付塗装の専門会社ということで、扱う部品は多品種に登り、その素材も様々なものを取り扱う。
完成品の使われる分野でいうと、医療機器、学校設備、放送機材、半導体装置と幅広い分野と連携していることがわかる。
一つひとつの部品の量こそは多くないが、その安定した供給と確かな技術から、比較的、高価な商品の塗装をリピートして受注している業態である。
国産として高価だが、大量には生産しない貴重な部品の塗装を特別に受注しているというとイメージしやすいだろうか。
例えば、これだ。
この塗装、どこかで見たことはないだろうか。
単なる塗装と違い、表面にわざとざらつきを持たせ、高級感を演出している。
これはパソコンやカメラなどに利用されている部品の一部だ。この部品、比較するものがないので分かりにくいが、見たことないほど大きい。私のカバンよりも大きい、この部品は一般向けでは無い業務用の機器に利用されるもので、毎月の生産量は限られている。
このように、国内で生産したものをプロの塗装で表面処理したい会社の依頼に丁寧に安定した供給を可能とすることで、リピートした依頼を受注しているのだ。
焼付塗装を知らない私の頭上に？マークがたくさん浮いているのに気づいた吉荒さんが、早速、工場の内部を少し見せてくれた。
工場の入り口には、加工されて届いた部品が陳列されていた。
届いた部品をまずは、専用の洗浄機にて洗浄し、乾燥させる。洗浄機にかけた後でも、さらに手作業で、表面の汚れを取り、塗装の準備を丹念に進めていく。
作業場の奥には、数多くの塗料が並んでおり、お客さまのニーズに合わせた調合を可能としている。
そこを抜けると塗装所だ。
塗装はゆっくりと回転しながら流れてくる部品を一つひとつ塗っていく。
オートメーション化しつつ肝となる部分は手作業となっているこの工程を見ると、長年の経験により作業の効率化と製品の質を考えて形成された吉荒化工の努力が伝わってくる。
千里の道も一歩から
代表を継いで、５年経った吉荒さん。
大学を出て、親の経営するこの会社を当初、継ぐ気は無かったと話す。
作業服で、汚れる仕事をするのが嫌で、大学を卒業後は、印刷会社に就職。営業職として憧れのスーツ姿に身を包むも、そこで気づいたことは、仕事という意味ではどの仕事も辛い中で、人のために汗水流す点では何も変わらないということだった。
社会人になり、自営で会社を存続させることの厳しさを知った時、１０年以上続く親の会社を手伝おうと決めたと教えてくれた。
吉荒さんにとって、仕事について尋ねると、
「仕事は人のために行う点では、どの仕事にも共通している。私たちものづくりは、作ったものが最終的にお客さまに使われるところを（人のためになている場面を）妄想しながら作る楽しみがある。
どのようにして人のためになるかを考え、まずは目の前のことをしっかりと丁寧に行うことで、次のページをめくっていきたい。」そお教えてくれた。
さらに今後について、
「世界的に見て、トップレベルである日本の焼付塗装の技術を確実に次の世代へと継承していき、時代の変化に対応しながら、いろんな素材を使って技術の幅を広げていきたい」と、熱いその気持ちを語ってくれた。
【会社概要】
有限会社吉荒化工
代表：吉荒裕章
愛知県豊橋市二川町東向山９６－２２７
http://yoshiarakakoh.jp/
■□■東三河の求人サイト＊＊TASUKI＊＊■□■
こんな仕事が東三河に！？という仕事が多数掲載！
「地元で仕事を探そう」と思ったら、まずはTASUKIをチェック！
【地域】 豊橋 豊川 蒲郡 新城 田原 東三河
【雇用形態】 正社員 パート アルバイト 新卒 転職
【職種】 製造 技術 開発 販売 営業 事務 IT 軽作業