古い、ボロイ、小さい‥
3拍子が揃っているにも関わらず、その独特のユニークさで人気を集める蒲郡の観光スポットといえば、みなさんご存知の「蒲郡市竹島水族館」です。
2017年9月から、竹島水族館は耐震工事のため4か月間閉館となりました。
部分リニューアルも実施し、新しい竹島水族館として2018年1月1日にリニューアルオープンしました。
この記事は、リニューアルオープン直前の竹島水族館にお邪魔し、副館長の戸舘さんに竹島水族館の魅力やリニューアルの見どころ、そして竹島水族館の目指す未来についてインタビューしたものをご紹介します。
蒲郡市竹島水族館
副館長
飼育主任
学芸員
目次
竹島水族館リニューアル中の様子
さっそく、リニューアルオープン前の竹島水族館に潜入。
通路や水槽にはまだシートが被せられており、さすがにまだその全貌は見ることができません。
水槽のリニューアルがあるお魚たちは、仮住まいにお引越し中。
リニューアル工事の間、隣町の岡崎市東公園動物園に預かっていただいていたカピバラの「そら」と「たいよう」は、竹島水族館にご帰宅。
久しぶりの我が家に、ちょっと緊張気味のご様子。
来場者を虜にする竹島水族館
ところで、この記事を読まれる方の中には、『竹島水族館って、人気があるちょっと変わった水族館だとは聞いたことがあるけど…。どんな水族館なの?』という方も多いと思います。
そこで、多くの“水族館好き”を魅了するその竹島水族館の魅力について、まずは紹介していきます。
【その1】珍しい、深海生物
竹島水族館の特徴は、なんといっても『深海生物』の多さです。展示数は100種類以上!
しかも、ただ多いだけではありません。なんと、深海生物に触れることができます。なんて斬新。
「地元の漁師さんと連携し、網にかかった深海生物をいただいています。
たくさんいるからこそ、深海生物たちも定期的に交代することができ、ストレスなく過ごせています。」
このカニなんて、明らかに痛そう。
「『痛いから』とか、『噛む恐れがあるから』とか、大人がそんなリスクを考えてしまっていたら、子どもと生き物の距離がどんどん遠くなってしまいます。
見て、触っているうちに、最初『キモイ』と言っていた子どもたちがこのプールから離れなくなり、だんだん『可愛い、可愛い』と言ってくれるようになります。」
最初は抵抗があっても、次第に可愛く見えてくるオオグソクムシ
【その2】館内にあふれる「おもしろ展示物」
これまた竹島水族館の名物といえる「おもしろ展示物」。
「水族館の説明文って、難しくないですか?和名はともかく、学名なんて誰も覚えていません。
昔から、ここがデッドスペースだなぁと感じていました。
もっとお客さんが読みたくなる情報を書こう、という取り組みが、この手作りの展示物です。」
履歴書ならぬ、魚歴書や、食べた感想まで・・・。
戸舘副館長も食べたらしい。「ピーナッツの皮が口に残った感じ」とのこと。
「ちなみに、魚の絵は上手く描く必要はありません。だって、すぐ横に本物がいるんで(笑)」
【その3】スタッフの魅力
そして、竹島水族館に「もう一度行きたい」と思わせる人気の秘密が『スタッフの魅力』です。
1990年には年間12万人まで入場者数が減少し、一時は閉館の危機に追い込まれながらもV字回復した竹島水族館が徹底したこと。
それは、「表に出る」ということでした。
「裏にいることが多かったスタッフたちに、表に出てお客さんと話すことを心がけてもらいました。
『また行きたい』と思っていただくには、お客さんが知りたがっていることを伝え、見たいと思っていることを叶えることが一番大切です。
お客さんが何を考えているか考えるより、お客さんに直接聞いた方が早いし間違いないですからね。
積極的にお客さんと話をし、要望をカタチにしていったのが、この竹島水族館です。」
館内の至る所に、スタッフのメッセージが。
館内ではスタッフ紹介もされており、スタッフに会いに来てくれる入場客も多いといいます。
「うちには大きな生き物がいないですからね。スタッフも展示生物の一種です(笑)」
リニューアルの見どころ
さて、竹島水族館の魅力は伝わったでしょうか。
ここでみなさんお待ちかねの、今回のリニューアルの見どころをお伝えします。
【その1】深海水槽が進化
これまで3つあった深海水槽のうち、2つが合体。
広くなった水槽で、のびのびと泳ぐ深海生物をぜひご覧ください。
また、水槽の中の擬石や擬サンゴは、小林館長が自らデザインしているとのこと。
こだわりの演出により、奥行のある本物の海の中にいるような気分になれます。
【その2】タカアシガニが更に増員!
深海生物にタッチできる「さわりんぷーる」の名物タカアシガニ。
「リニューアル前からたくさんいたじゃん」と思われる方も多いと思いますが、更に増員したとのこと。
タカアシガニファン(?)にはたまらない空間であること間違いありません。
【その3】横から観察できる水槽が登場!
子どもに人気のある、魚が泳ぐ姿を“上”から覗ける水槽だったこの水槽が、“横”もアクリル板となり登場!
上からだけでなく、四方からも観察できるようになったこの水槽。
ますます水槽から離れない子どもが続出するでしょう。
竹島水族館の目指す未来
表に出て、入場客と話をする中で集まった要望をもとに決められたリニューアル内容。
入場客の「もっと○○が見たい!」がたっぷりと叶えられた水族館に進化しています。
そんな竹島水族館の目指す未来を、戸舘副館長にお伺いしました。
「おかげさまで、この竹島水族館へ足を運んでくださるお客さまは増えました。
次のステップとしては、私たちだけでなく、この地域全体を盛り上げていきたいと考えています。」
特に、地元中小企業とコラボしたお土産や商品開発などに力をいれており、地域一丸となったまちづくりを推進しています。
【関連記事】
この竹島水族館は蒲郡市の施設ですが、市の分類としては『観光』部門になっています。
けれど、ここはただの観光施設ではなく、『教育』の役割をもたせたいと考えています。
子どもたちが竹島水族館に来たことをきっかけに生き物に興味をもち、生き物やその環境について自ら学ぼうとする気持ちが芽生えれば嬉しいですね。」
元旦、リニューアルオープン!
ユニークな取り組みにより度々メディアにも取り上げられる竹島水族館。
しかしそのユニークさには、生き物を身近に感じ、もっと知りたいと思わせるための工夫と、その『知りたい』を叶えるための知恵が詰まっていました。
竹島水族館、2018年元旦にリニューアルオープン。
楽しめること間違いなし。
ぜひ、ご来場ください!!
【施設概要】 | |
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名称 | 蒲郡市竹島水族館 |
館長 | 小林 龍二 |
住所 | 愛知県蒲郡市竹島町1-6 |
TEL | 0533-68-2059 |
公式HP | http://www.city.gamagori.lg.jp/site/takesui/ |