豊橋合同庁舎の近くを車で走っていたら、見覚えのある女性が犬を散歩していた。

この、近くに事務所を構える、 藤喜真田工場 の奥さんだ。
 

間も無く奥さんもこちらに気づいてくださった。久しぶりに家に寄るよう勧められ、お話ししていると、快く代表のインタビューに応じていただく了承を得られ、今回の記事を執筆するに至った。
 

art-p-huzikisanadakouzyou01

藤井久司さん
藤喜真田工場代表。
趣味:ゴルフ、カメラ、ニワトリ等の飼育、きのこや植物の栽培、スキーなど。

 
日を改め翌日、事務所でお話しを聞いた後、早速、新城にある工場にお邪魔させていただいた。
 
 
新東名開通や木の香りが心地よい道の駅で最近話題の新城。
のどかな道を車で走っているとオブジェが目印の、藤喜真田工場さんはある。
藤喜真田工場
 
 

不思議なヒモの世界

 
工場内に入ると、いたるところに、色とりどりの紐が置いてあることに気がつく。
 
art-main-huzikisanadakouzyou04
 
そう、藤喜真田工場さんは、大正11年の設立以後、カンカン帽子等で使われる真田紐を製造。
2代目がパンツなどのゴム紐や、自転車の荷掛け紐を考案し特許まで取得。
現在、その3代目として、昔ながらの技法は残しつつ時代に沿った商品を製造し続けている。
 

例えば、

コンテナの荷降ろし時に安全のため利用する太い紐。

art-main-huzikisanadakouzyou11

厚さ16mmのサイズを作っているのは国内でも少なく、最大22mmまで製造している会社はウチだけなんじゃないかなと笑顔で教えてくれた。

 
次はこれ。

art-main-huzikisanadakouzyou17

普通のブレスレットに見えるが、このヒモは静電気除去の効果を持っており、冬に車の乗り降りでビクビクしている私にはとても便利なアイテムだ。

 
これは、蛍光性能を持つゴム紐だ。

art-main-huzikisanadakouzyou16

暗いところで本当によく光る。
 
他にも、
編み込む紐に捻りを加えることで、他とは少し異なる模様を作り出したこちら。

art-main-huzikisanadakouzyou08

この模様のために機械ごと特注したのも、藤井さんのこだわり。
 
まだまだ、形の崩れないヒモでストラップやトラックのアイドリング防止用のヒモなど、ここで一つずつあげていたらきりがないほどの種類がある。
 
 

「職人」の「納得」

ごちゃごちゃしていてごめんね、と気遣ってくださるが、壁にかけられてる紐や山積みになっている紐、捨てられている無数の紐が、藤井さんのこだわりを示しているように私には見えた。
 
「お客さんから依頼されたことは、何が何でも答えたい。その一心で、考えながら手を動かすのがとても楽しい。
単純に、ものづくりが楽しいし、何か動いてないと気が済まない性格なんだ。
そう思ってなかったら、50年もこの仕事をやってられないよ。」

そう話してくださる藤井さんの手は、分厚く「職人」を感じさせる。

art-main-huzikisanadakouzyou07
 
今回のインタビューで何度も耳にした単語がある。それが「納得」だ。

「お客さんのニーズを聞いたら、どうしたらできるか考え、時には機械をそのために特注仕直し、それを完全に使いこなし「納得」するまで試す。
バカと言われるかもしれないが、楽しみながらこういう物を作る人間がいないとダメだと思う」と、力強く語ってくれた。
 
ゴム紐といえば、中国をはじめとした海外での生産が主流となっている今、昔からの作り方を守り、その中で時代や取引先のニーズ、さらにはこの紐を次にどのように加工するのだろうか、という次の工程まで研究して紐を作っている会社がどれほどあるだろうか。
 
自分の中にある「納得」の基準は本当にこのラインで合っているだろうか。
改めて考えさせられるインタビューだった。
 

会社を出るときには、手の中にいっぱいのお土産までくれて、本当に優しい方でした。

art-main-huzikisanadakouzyou14
 
 
 
 
東三河の求人一覧バナー
 
■□■東三河の求人サイト**TASUKI**■□■
こんな仕事が東三河に!?という仕事が多数掲載!
「地元で仕事を探そう」と思ったら、まずはTASUKIをチェック!

 
【地域】 豊橋 豊川 蒲郡 新城 田原 東三河
【雇用形態】 正社員 パート アルバイト 新卒 転職
【職種】 製造 技術 開発 販売 営業 事務 IT 軽作業