ビジネスマンに会計は必要?
社会人に必要な三種の神器として、「英語・IT・会計」なんて聞いたことは無いでしょうか?
就活生が内定後、会社からTOEICの受験、日商簿記検定3級の取得を課される会社もあるのはその良い例です。
社会に出ると「三種の神器は身に着いていて当然」という状況におかれる場合も少なくありません。
得意先の役員から「あなたの会社は、同業他社と比べると純資産の金額に対して売上の金額が少ないようだね。それはなぜかな?」と聞かれてその場で何も答えられなかった。
とある営業マンが経験した実話です。このように自社の商品知識だけ持っていれば良いと言うわけにはいかないようですね。
そこで、「ビジネスに役立つ会計講座」では、公認会計士ちゃんらいが「会計」に馴染みを持ってもらえるよう、数回に渡ってお話ししようと思います。
売上の分解
では、その一回目ということで、実際の企業の売上はどのように形成されているのかを考えてみることにしましょう。
つまり、売上の分解です。
ビジネスマンとして持つべき感覚ですので、是非学んでいきましょう。
簿記・会計の世界では、ラーメン屋さんの一日の売上高が例え話に用いられます。
基本的な分解は、 単価×数量。ラーメン一杯の価格にお客さんの数を乗じることで、ラーメン屋さんの売上が計算できます。
架空の会社では面白くないため、東京ディズニーランドや東京ディズニーシーを運営するオリエンタルランドを題材に売上を考えて見ましょう。
ここで問題。
オリエンタルランドの1年間の売上高はいくらでしょう?
1) 4,662億円
2) 2,740億円
3) 610億円
答えは1番、ちなみに2番は豊橋市の1年間の歳入額、3番はオリエンタルランドの売上高のうち、ホテル事業による収入です。
*出典:平成28年3月 豊橋市予算大綱説明
オリエンタルランド平成27年3月期有価証券報告書を基に概数表記
ということで,売上を分解してみましょう。
シンプルな分解としては、一人あたりの収益と入場者数に分解できますね。
そこで、第二問
オリエンタルランドの年間入場者数(東京ディズニーランド・東京ディズニーシーの合計)はどのくらいでしょうか。
1) 3,100万人
2) 380万人
3) 38万人
答えは1番、ちなみに3番の38万人は豊橋市の人口なので、豊橋市民が1年に80回入場している計算になります。
*出典:豊橋市ホームページを基に概数表記
デイズニーランドの売上高を年間の入場者数で割り算すると。
一人当たり15,038円という結果になります。
大人一人あたりの入場料が7,400円(平成28年4月現在)なので、園内でのご飯代、お土産、地方から来た人達の宿泊費を考えると平均してこのくらいの金額になるのではないでしょうか。
このように売上を単価×数量に分解することで、例えば競合他社の分析を行ったり、より精密な売上目標の策定に役立てることが出来ます。
「気合いで○○円売り上げます!」と言うよりも、
「単価が○○円で○○人のお客様の来場が見込めるため、○○円の売上を目標に進めます」と伝えた方が説得力が増しますよね。
やっていることはただの掛け算ですが、この考え方は、仕事の様々な場面で使えます。
いつもの会話にちょっとしたアクセントを入れて、
できるビジネスマンになってください!
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